7月14日は、YO-KINGの言葉が90年代J-POPに持ち込んだ風通しを思い出したい

7月14日は、真心ブラザーズのYO-KINGの誕生日。90年代のJ-POPや日本のバンド・シーンを振り返るとき、力みすぎず、それでいて妙に記憶に残る言葉とメロディーを生み出してきたこの人の存在はやはり大きい。気取らないのに軽く終わらない、その独特の風通しは今聴いても新鮮だ。
真心ブラザーズの中心で鳴っていた、YO-KINGの歌と言葉
YO-KINGは1967年7月14日生まれ。桜井秀俊とともに結成した真心ブラザーズで広く知られ、「どかーん」「サマーヌード」など、時代ごとに違う顔を見せる楽曲を残してきた。90年代の日本のポップスでは、バンド・サウンドとJ-POPの間を軽やかに行き来する表現が増えていったが、真心ブラザーズはその流れのなかでも、日常語に近い言葉づかいと親しみやすいメロディーで独自の立ち位置を作った。YO-KINGの書く歌は、肩ひじ張らないのに、聴き終わると感情だけがきちんと残る。
90年代J-POPに自由さを持ち込んだソングライティング
YO-KINGの魅力は、ロックの勢いとポップスの開かれた入口を無理なくつなげたところにある。強いメッセージを前面に押し出すタイプとは少し違い、会話の延長のような言葉や、ふっと力の抜けた節回しのなかで、恋愛や季節感、暮らしの温度を自然に立ち上げていく。そのバランス感覚は、J-POPが巨大化していく時代にあっても息苦しさを感じさせず、むしろ音楽をもっと自由に、もっと身近にしてくれた。バンド活動だけでなくソロでも歩みを続けてきたことは、YO-KINGの表現が一過性ではなく、長く聴かれ続ける強さを持っている証拠でもある。
今日聴くなら
今日はまず真心ブラザーズの「サマーヌード」で、YO-KINGの言葉が持つ抜けの良さと季節の匂いを味わいたい。続けて初期の代表曲も聴き返すと、ユーモアと切実さが同居する独特の書きぶりがよくわかるはずだ。7月14日は、90年代J-POPのなかに確かにあった、気負わず自由で、それでもちゃんと心に残る歌のあり方を思い出す日にしたい。