6月30日は、「大都会」を響かせた田中昌之の節目を振り返る

6月30日は、「大都会」を響かせた田中昌之の節目を振り返る

6月30日は、元クリスタルキングのボーカリスト田中昌之の誕生日。日本のポップスやロックを振り返るとき、「大都会」のあの突き抜ける高音はやはり特別だ。派手な一発の印象だけでは終わらない、1970年代末から80年代にかけての熱気と、その後も続く歌い手としての存在感をあらためて思い出したい。

「大都会」で一気に広く知られたハイトーンボーカル

田中昌之は1951年6月30日生まれ。1975年からクリスタルキングに参加し、高音パートを担うボーカリストとして存在感を示した。1979年にはクリスタルキングとして「大都会」でデビューし、この曲は大ヒットを記録。ヤマハポピュラーコンテストのグランプリや世界歌謡祭での受賞でも知られ、当時の日本の音楽シーンに強烈なインパクトを残した。都会的でドラマチックなサウンドの中を切り裂くような田中の歌声は、曲のスケール感そのものを押し上げる力を持っていた。

ロックと歌謡ポップスの境界を越える声の強さ

田中昌之の魅力は、単に高い声が出ることではない。張りつめた緊張感と泥くささ、そして歌謡曲的なわかりやすさを同時に鳴らせるところにある。クリスタルキング時代の代表曲だけでなく、その後のソロ活動でも彼の声は独特の説得力を持ち続けた。さらに「ウルトラマンガイア」や「仮面ライダークウガ」の主題歌でも知られるように、世代をまたいで耳に残る仕事を重ねてきた点も大きい。日本の大衆音楽の中で“声そのものが記号になる歌手”の一人として語る価値がある。

今日聴くなら

今日はまずクリスタルキングの「大都会」から聴きたい。田中昌之のハイトーンが曲の中心でどれほど決定的な役割を果たしているか、あらためて実感できるはずだ。続いて「愛をとりもどせ!!」や、ソロ名義での「仮面ライダークウガ!」に進めば、声の迫力が時代や作品を越えて機能してきたことも見えてくる。6月30日は、田中昌之というボーカリストの“声の強さ”を再確認する日にしたい。