6月14日は、Ado「夜のピエロ」が渋谷の夜に孤独を刻んだ日

6月14日は、Ado「夜のピエロ」が渋谷の夜に孤独を刻んだ日

6月14日は、Adoの5作目の配信シングル「夜のピエロ」がリリースされた日。大ヒット直後の勢いだけで突き進むのではなく、夜の街に漂う憧れと孤独をじわっと描き切ったこの曲は、Adoという表現者の幅を早い段階ではっきり示した1曲だった。

2021年6月14日、「夜のピエロ」が配信リリースされた

Adoの日本語版Wikipediaでは、「夜のピエロ」が2021年6月14日に5作目のシングルとして配信リリースされたと記されている。さらにユニバーサル ミュージックの同日付ニュースでも、「夜のピエロ」を本日6月14日に配信リリースし、ミュージックビデオも公開したと案内されている。詞曲・編曲を手がけたのはボカロPのbizで、ジャケットとMVのビジュアルにはケイゴイノウエが参加。メジャーデビュー曲「うっせぇわ」、続く「ギラギラ」「踊」と強い話題作を重ねていたAdoにとって、この曲は熱狂のただ中で“次にどんな陰影を見せるのか”を示す重要なリリースだった。

渋谷の夜景と、Ado初期の“都会感”を決定づけた1曲

ユニバーサル ミュージックの紹介では、このMVは夜の渋谷を背景に、都会への憧れと孤独を夜のネオンで表現した作品だと説明されている。そこがまさにこの曲の肝だと思う。「うっせぇわ」が社会への苛立ちを鋭く突き刺した曲だとすれば、「夜のピエロ」はもっと内向きで、にぎやかな街の中で一人だけ取り残される感覚を抱えた歌だ。Adoの歌声はパワフルなのに、感情の置き方はむしろ繊細で、そのギャップがこの曲ではとてもよく映える。J-POPとボカロ文化の接続点に立ちながら、単なるネット発ヒットでは終わらない都会的なポップスの陰影を作ったことが、この曲の大きさだ。

今日聴くなら

今日はまず「夜のピエロ」を、できればMVと一緒に味わいたい。渋谷の夜景、ネオン、少し背伸びした視線が重なることで、曲単体で聴くよりもずっと立体的に響く。そのうえで「踊」や「ギラギラ」と続けて聴くと、2021年のAdoがただ強い曲を連発していたのではなく、攻撃性、華やかさ、孤独感をそれぞれ別の形で鳴らし分けていたことがよくわかる。6月14日は、Adoが“叫ぶ人”だけではなく、夜の感情を描けるポップアクトでもあると証明した日として聴き返したい。