5月25日は、葛城ユキのハスキーな歌声が80年代の日本語ロックに風穴を開けた日

5月25日は、80年代の日本の歌謡曲とロックのあいだに強い風を通した歌声を思い出したくなる日だ。葛城ユキは、太くハスキーなボーカルで流行歌の枠を揺らし、女性シンガーがもっと豪快に、もっと骨太に前へ出られる景色を作った。
1949年5月25日、葛城ユキが生まれる
葛城ユキは1949年5月25日生まれの歌手。1983年の代表曲「ボヘミアン」は広く知られ、80年代の日本の音楽シーンの中で強烈な存在感を放った。5月25日は一人の歌手の誕生日であると同時に、女性ボーカルの表現がよりワイルドに、より身体性を伴って響くようになった時代を振り返る入口でもある。しなやかさや可憐さだけではない、押し出しの強い声が大衆に届くことを示した意味は大きい。
歌謡曲とロックの境界をまたぐ声の迫力
葛城ユキの魅力は、単に声量があるというだけではない。低音の厚みとしゃがれた質感が共存し、楽曲に入った瞬間に空気の温度を変えるような迫力があった。とりわけ「ボヘミアン」は、歌謡曲の親しみやすさを持ちながら、ロックシンガーのような押しの強さと熱量を前面に出した一曲として記憶されている。日本のポップスがジャンルの境目を越えながら拡張していった80年代において、葛城ユキの歌はその変化を耳で理解させる存在だった。
今日聴くなら
今日はまず「ボヘミアン」を聴いて、イントロから一気に景色を塗り替えるようなボーカルの強さを味わいたい。そのうえでライブ音源や他の代表曲にも触れると、葛城ユキが一曲のヒットだけで語れない表現者だったことが見えてくる。5月25日は、80年代の日本語ポップスがもっと大胆で、もっとロックに開かれていった瞬間を聴き返す日にしたい。