5月22日は、宇多丸とRHYMESTERが日本語ラップの批評性を広げた流れを聴き返したい

5月22日は、宇多丸とRHYMESTERが日本語ラップの批評性を広げた流れを聴き返したい

5月22日は、日本語ラップが単なる流行やスタイルではなく、言葉で時代と向き合う表現として根を張ってきた流れを思い出したくなる日だ。RHYMESTERのMCとして長くシーンを支えてきた宇多丸は、作品そのものだけでなく、語ること、批評することの面白さまで含めてヒップホップの裾野を広げてきた。

1969年5月22日、宇多丸が生まれる

宇多丸は1969年5月22日生まれ。大学時代の1989年にMummy-DらとRHYMESTERを結成し、1993年にはグループとして1stアルバム『俺に言わせりゃ』でインディーズデビューした。ジャパニーズヒップホップがまだ広く共有されたジャンルではなかった時代から活動を続け、2001年にはシングル「ロイヤル・ストレート・フラッシュ」でメジャーデビューを果たしている。5月22日は、一人のラッパーの誕生日というだけでなく、日本語ラップが地下の熱量を保ちながら社会的な言葉へ育っていく流れを確かめる節目としても眺められる。

ラップと批評をつなぎ、日本語ラップの見取り図を広げた

宇多丸の重要さは、RHYMESTERのMCとして高度な言語感覚を提示してきたことに加え、音楽や映画を語る場でも一貫して批評の姿勢を示してきた点にある。RHYMESTERは技巧やユーモア、社会への視線を同時に成立させるグループとして、日本語ラップの成熟を象徴してきた。その中心にいる宇多丸は、ヒップホップを閉じたカルチャーにせず、ラジオや雑誌連載などを通じて外の聴き手にも接続してきた。語る言葉まで含めて表現にしてきたからこそ、日本語ラップは作品単体ではなく、考え方ごと届く文化として広がっていった。

今日聴くなら

今日はまずRHYMESTERの初期作品に戻って、90年代の日本語ラップが持っていた言葉の密度と現場感を味わいたい。そのうえでメジャー期の楽曲を聴くと、シーンの拡大に合わせてサウンドもメッセージもどう更新されていったかが見えてくる。派手な記号だけではない、日本語でラップすることの説得力を確かめるには格好の入り口だ。5月22日は宇多丸の誕生日をきっかけに、RHYMESTERが積み上げてきた日本語ラップの批評性と強度をあらためて聴き返したい。