4月27日は、松田聖子「天国のキッス」が80年代ポップの跳躍を刻んだ日を振り返る

4月27日は、松田聖子「天国のキッス」が80年代ポップの跳躍を刻んだ日を振り返る

4月27日は、松田聖子のシングル「天国のキッス」が発売された日です。王道アイドル・ポップの眩しさのなかに、細野晴臣らしいひねりが潜んだこの曲は、80年代J-POPの懐の深さをあらためて感じさせます。

4月27日に発売された「天国のキッス」

「天国のキッス」は1983年4月27日にCBS・ソニーから発売された松田聖子の13枚目のシングルで、同年公開の映画『プルメリアの伝説 天国のキッス』の主題歌としても知られています。作詞は松本隆、作曲は細野晴臣、編曲は大村雅朗という布陣で、当時の松田聖子の快進撃を支えた一枚のなかでも、とりわけ耳を引く個性を持った作品です。きらびやかな歌謡ポップとしてすっと入ってくる一方で、メロディや展開には単純な甘さだけではない不思議な浮遊感があり、発売日という事実以上に、80年代前半のポップスの豊かさを象徴する節目として記憶しておきたい曲です。

松田聖子と細野晴臣が交差した意義

この曲が面白いのは、トップアイドルとしての松田聖子の華やかさと、YMO以後の細野晴臣が持っていた実験的な感覚がひとつのヒット曲のなかで共存していることです。松田聖子のシングル群は、松本隆を軸にしながら作家陣の色が鮮やかに出ることで知られますが、「天国のキッス」はそのなかでも少し異質なきらめきを放っています。親しみやすいのに、どこか予想をずらす。可憐なのに、サウンドの奥では当時の先端的なポップ感覚が動いている。そのバランス感覚こそが、日本のメインストリーム歌謡が単なる定型ではなく、創造性の高い現場だったことを示しています。

今日聴くなら

まずはもちろん「天国のキッス」を、イントロからじっくり聴きたいところです。松田聖子の軽やかな歌声が、細野晴臣のひねりあるメロディを自然にポップへ着地させていることがよくわかります。あわせて同時期の「秘密の花園」や「ガラスの林檎」を聴くと、80年代前半の松田聖子がどれほど豊かな作家陣とともにシングル文化を更新していたかも見えてきます。4月27日は、ヒット曲の強さと実験精神が同居した日本ポップの面白さを味わう日にぴったりです。