3月27日は、高中正義の誕生日から日本のギターインストの開放感をたどる

3月27日は、高中正義の誕生日から日本のギターインストの開放感をたどる

3月27日は、高中正義の誕生日。日本のギターインストゥルメンタルを語るとき、高中の名前はやはり外せない。技巧派として語れる人でありながら、同時に風景まで連れてくるメロディメーカーでもあるところが特別で、海や空や夏の光まで音で思い出させるような感触がある。3月27日は、そのキャリアを手がかりに、日本のフュージョンがどこまでポップに開かれていったのかを聴き返したい日だ。

1953年3月27日生まれ、サディスティック・ミカ・バンド以降にソロへ展開

高中正義は1953年3月27日生まれ。1970年代前半から音楽活動を始め、サディスティック・ミカ・バンドやサディスティックスでの活動を経て、1976年に初のソロアルバム『SEYCHELLES』を発表した。日本のロックやスタジオワークの文脈を通りながら、ソロではギターを中心に据えたインストゥルメンタル作品を本格化させていく流れは、この時点ですでに明確だった。演奏の上手さを前面に押し出すだけでなく、軽やかさや色彩感を持ったサウンドで聴き手を広く引き込んだことが、高中の大きな特徴だった。

『JOLLY JIVE』の「BLUE LAGOON」と『虹伝説』が広げた世界

高中の存在をより広い層へ押し広げた節目としてよく挙げられるのが、1979年のアルバム『JOLLY JIVE』だ。代表曲「BLUE LAGOON」を収録したこの作品は、フュージョンの文脈にありながら、夏や旅を思わせる開放感で多くのリスナーを引き寄せた。さらに1981年には、イタリアの画家ウル・デ・リコの絵本から発想したコンセプトアルバム『虹伝説 THE RAINBOW GOBLINS』を発表。アルバム単体の完成度に加え、その世界観を大掛かりなライブで立体化したことで、高中正義は単なる名ギタリストではなく、物語性を持ったアーティストとして強い印象を残した。

今日聴くなら

今日聴くなら、まずは『SEYCHELLES』でソロ初期の輪郭を確かめたい。続いて『JOLLY JIVE』を再生すれば、高中正義の音がなぜ長く“景色の見えるギター”として愛されてきたのかがよくわかるはずだ。もう一歩深く入りたいなら『虹伝説 THE RAINBOW GOBLINS』も外せない。コンセプト性と親しみやすさがきれいに両立していて、日本のインスト作品がここまで豊かな想像力を持ちうることを教えてくれる。3月27日は、高中正義の誕生日をきっかけに、日本のギターインストの開放感と物語性を味わいたい。