3月16日は、小比類巻かほるの誕生日から80年代ポップスの洗練を聴き返す

3月16日は、小比類巻かほるの誕生日。1980年代後半のJ-POPを振り返るとき、彼女の名前はもっと再発見されていい。ソウルやR&Bの手触りを日本のポップスへ自然に接続しながら、都会的で芯のあるボーカルを鳴らしたその仕事は、いま聴いてもかなり新鮮だ。
3月16日に生まれた小比類巻かほると1985年デビューのインパクト
小比類巻かほるは1967年3月16日生まれ、青森県三沢市出身。1985年10月21日にシングル「Never Say Good-Bye」でデビューし、同年にはファースト・アルバム『CALL MY NAME』も発表した。デビュー直後から、当時の歌謡曲やロックとは少し異なる、海外ポップスやR&Bに接続した洗練をまとっていたのが特徴だ。EPIC・ソニーの80年代ラインナップの中でも、佐野元春や渡辺美里、TM NETWORKらと並びながら、よりしなやかでブラックミュージック志向の手触りを持ち込んだ存在として印象に残る。
「Hold On Me」や「City Hunter〜愛よ消えないで〜」が示した洗練
小比類巻かほるの代表曲として広く知られるのが「Hold On Me」や「City Hunter〜愛よ消えないで〜」だ。前者はドラマ主題歌としてヒットし、後者はアニメ『シティーハンター』のオープニング曲として多くのリスナーに届いた。強さとしなやかさを同時に感じさせる歌声、英語的なグルーヴ感を意識したメロディ運び、そして都会の夜景が似合うようなサウンドメイクは、80年代後半の国産ポップスがどこまで洗練できるかを示していた。後年にはプリンスやモーリス・ホワイトと仕事をしたことでも知られ、その国際感覚はキャリア全体を通して一貫している。
今日聴くなら
今日聴くなら、まずは「Hold On Me」で小比類巻かほるのボーカルの伸びやかさと切れ味を味わいたい。あわせて「City Hunter〜愛よ消えないで〜」を聴くと、アニメソングでありながらシティポップ以後の都会感をしっかり宿した表現がよくわかる。3月16日は、小比類巻かほるの誕生日をきっかけに、80年代J-POPが獲得した洗練とR&B感覚をあらためて聴き直す日にしたい。