3月13日は、佐野元春の誕生日から日本語ロックの更新力をたどる

3月13日は、佐野元春の誕生日から日本語ロックの更新力をたどる

3月13日は、佐野元春の誕生日。1980年代以降の日本語ロックを語るとき、彼の名前はやはり外せない。デビュー作『アンジェリーナ』から「SOMEDAY」、そして『VISITORS』へと続く歩みをたどると、日本語の言葉とビートの関係を更新し続けてきた軌跡が見えてくる。

3月13日に生まれた佐野元春という存在

佐野元春は1956年3月13日、東京都生まれ。1980年にシングル「アンジェリーナ」でデビューし、早い段階からロックンロール、ポップス、ラジオカルチャー、都市の感覚を自在に横断する表現で注目を集めた。プロフィールでも知られる通り、「ガラスのジェネレーション」「SOMEDAY」「Young Bloods」「約束の橋」など、時代ごとに印象的な楽曲を残している。単にヒット曲を持つシンガーソングライターというだけでなく、日本語のフレーズをどのようにビートへ乗せるか、その可能性を拡張してきたアーティストとして重要だ。

『SOMEDAY』と『VISITORS』が広げた日本語ロックの地平

初期の代表作としてまず挙がるのが、1982年発表のアルバム『SOMEDAY』だ。ウォール・オブ・サウンドを取り入れたスケール感のある音像と、青春の焦燥や希望を切り取る言葉によって、佐野元春の存在はより広いリスナー層へ届くようになった。さらに1984年の『VISITORS』では、ニューヨーク滞在を経てラップやスポークン・ワードの感覚を大胆に吸収し、それまでの邦楽ロック像を大きく揺さぶった。発表当時は賛否を呼びながらも、結果的には日本のポップミュージックが新しいリズムと言葉遣いを受け入れていく流れの中で、見逃せない一作になっている。

今日聴くなら

今日あらためて聴くなら、まずは「SOMEDAY」。佐野元春のソングライティングが多くのリスナーに届いた理由を、いまの耳でもはっきり感じられるはずだ。もう一枚選ぶならアルバム『VISITORS』。キャッチーさだけではなく、更新しようとする意志そのものが記録された作品として面白い。3月13日は、佐野元春の誕生日をきっかけに、日本語ロックがどこで加速したのかを聴き直すのにちょうどいい日だ。